まっしろな遺書
2015年6月15日
今日の夜。
充のお通夜が行われる。
その前に、充の母親が、十三たちに話があると言うことで病院の部屋を借りて集めた。
その際に、DSを持ってくるように言われた。
集まったのは、十三と美穂、歩ちゃんに隼人君に愛ちゃん、元太君だ。
「皆さん。
充に良くしてくれていたみたいでありがとうございました」
充の母親は、そう言って涙を零しながら頭を下げた。
「いえ、そんな……」
美穂が、そう言って充君の母親をなだめる。
「皆さんに渡したいモノがあります……
皆さんのゲームソフト、充が生前に盗ったらしくまずそのお詫びを……」
充の母親は、そう言ってゲームソフトを机の上に置いた。
ゲームソフトには、セロハンテープで名前の書いたメモが貼られていた。
それぞれ名前が書かれたバケモンのソフトを預かる。
「皆さんにメッセージがあるそうですので、よろしければゲームをやってください」
充の母親は、そう言ってハンカチで涙を拭う。
十三は、バケモンのソフトをDSに入れるとゲームを始めた。
手持ちバケモンの中に、十三が欲しかった色違いのイーブイがいた。
イーブイには、メモが持たされていた。
メモには、こう書かれていた。
じゅうぞうさん いつもわがままに つきあってくれて ありがとうございます
じゅうぞうさんと いっしょに すごした ひび たのしかったです
どうか このイーブイ だいじに そだててください
みほさんと なかよく そして けっこんしてください
充が、十三に残した言葉……
他の子供たちにもメモが持たされていたみたいで涙を流しながらゲーム画面を見ている。
「美穂には、なんて書いてあったんだ?」
「……内緒」
美穂も涙を流しながら答えた。
「ケチ……」
隼人が、無言でゲームの画面を見ている。
涙は流していない。
ただ無言で見ている。
「隼人君?」
「何?」
「隼人君は、何を貰ったの?」
「ジラーチ」
「そっか……」
「なんて書いてあったの?」
「聞いてどうするの?」
「どうもしないけど……」
「うん。
だったらいいじゃん」
「そうだね……」
隼人と十三以外は泣いていた。
十三の心は、今空っぽだった。
生きたい命はそこにあったのだから……
今日の夜。
充のお通夜が行われる。
その前に、充の母親が、十三たちに話があると言うことで病院の部屋を借りて集めた。
その際に、DSを持ってくるように言われた。
集まったのは、十三と美穂、歩ちゃんに隼人君に愛ちゃん、元太君だ。
「皆さん。
充に良くしてくれていたみたいでありがとうございました」
充の母親は、そう言って涙を零しながら頭を下げた。
「いえ、そんな……」
美穂が、そう言って充君の母親をなだめる。
「皆さんに渡したいモノがあります……
皆さんのゲームソフト、充が生前に盗ったらしくまずそのお詫びを……」
充の母親は、そう言ってゲームソフトを机の上に置いた。
ゲームソフトには、セロハンテープで名前の書いたメモが貼られていた。
それぞれ名前が書かれたバケモンのソフトを預かる。
「皆さんにメッセージがあるそうですので、よろしければゲームをやってください」
充の母親は、そう言ってハンカチで涙を拭う。
十三は、バケモンのソフトをDSに入れるとゲームを始めた。
手持ちバケモンの中に、十三が欲しかった色違いのイーブイがいた。
イーブイには、メモが持たされていた。
メモには、こう書かれていた。
じゅうぞうさん いつもわがままに つきあってくれて ありがとうございます
じゅうぞうさんと いっしょに すごした ひび たのしかったです
どうか このイーブイ だいじに そだててください
みほさんと なかよく そして けっこんしてください
充が、十三に残した言葉……
他の子供たちにもメモが持たされていたみたいで涙を流しながらゲーム画面を見ている。
「美穂には、なんて書いてあったんだ?」
「……内緒」
美穂も涙を流しながら答えた。
「ケチ……」
隼人が、無言でゲームの画面を見ている。
涙は流していない。
ただ無言で見ている。
「隼人君?」
「何?」
「隼人君は、何を貰ったの?」
「ジラーチ」
「そっか……」
「なんて書いてあったの?」
「聞いてどうするの?」
「どうもしないけど……」
「うん。
だったらいいじゃん」
「そうだね……」
隼人と十三以外は泣いていた。
十三の心は、今空っぽだった。
生きたい命はそこにあったのだから……