まっしろな遺書
2015年6月16日
今日、充のお葬式が行われた。
この間まで、生きていた命は、今冷たくなっている。
小さな小さなこの体は、もう生きていない。
小さな花畑に囲まれ……
天国へと召された。
病室に戻った十三は、黒のネクタイを外した。
「なんか、寂しいね」
「うん」
美穂の言葉に十三はうなずく。
「元気だったのにな……」
「そうだな」
十三には、何も思い出せない。
頭の中がからっぽ。
心の中もからっぽ。
何もかもがからっぽ。
からっぽだった十三の人生は、からっぽなまま終わろうとした。
十三は生きている。
生きれない命が、そこにあったのに十三は生きている。
それは、ほんの少しの時間なのかもしれない。
だけど、十三は今、生きている。
だから、やらなくちゃいけないことがあるんだ……
「ねぇ、十三」
「うん?」
「十三は、死んじゃダメだよ?」
「死なないよ」
「ホントに?」
「うん」
「じゃ、ゆびきりしよう」
十三はゆびきりと聞いた時、萌のゆびきりのシーンが目に浮かぶ。
「ゆびきりは、いいや……」
「どうして?」
「なんとなく嫌なんだ……
ゆびきりをすると終わる気がして……」
「ふーん。
じゃ、誓いのキスを……」
「それは、結婚式にするもんだろ?」
「じゃ、結婚式やろー
今すぐやろー」
「……また、今度な」
「え?」
美穂は、目を丸くさせた。
「まぁ、今度な……」
十三は、そう言って服を着替えた。
「約束だよ」
美穂が、そう言って十三の体を抱きしめた。
今日、充のお葬式が行われた。
この間まで、生きていた命は、今冷たくなっている。
小さな小さなこの体は、もう生きていない。
小さな花畑に囲まれ……
天国へと召された。
病室に戻った十三は、黒のネクタイを外した。
「なんか、寂しいね」
「うん」
美穂の言葉に十三はうなずく。
「元気だったのにな……」
「そうだな」
十三には、何も思い出せない。
頭の中がからっぽ。
心の中もからっぽ。
何もかもがからっぽ。
からっぽだった十三の人生は、からっぽなまま終わろうとした。
十三は生きている。
生きれない命が、そこにあったのに十三は生きている。
それは、ほんの少しの時間なのかもしれない。
だけど、十三は今、生きている。
だから、やらなくちゃいけないことがあるんだ……
「ねぇ、十三」
「うん?」
「十三は、死んじゃダメだよ?」
「死なないよ」
「ホントに?」
「うん」
「じゃ、ゆびきりしよう」
十三はゆびきりと聞いた時、萌のゆびきりのシーンが目に浮かぶ。
「ゆびきりは、いいや……」
「どうして?」
「なんとなく嫌なんだ……
ゆびきりをすると終わる気がして……」
「ふーん。
じゃ、誓いのキスを……」
「それは、結婚式にするもんだろ?」
「じゃ、結婚式やろー
今すぐやろー」
「……また、今度な」
「え?」
美穂は、目を丸くさせた。
「まぁ、今度な……」
十三は、そう言って服を着替えた。
「約束だよ」
美穂が、そう言って十三の体を抱きしめた。