まっしろな遺書
 2015年6月18日


 今日は雨。
 十三は、外出許可を病院に貰って喫茶萌萌に行った。

「あ、十三さん。
 お久しぶりっす」

 太郎が、そう言ってニッコリと笑う。

「ああ、久しぶりだね」

「今日は、何にするっすか?」

「今日は、少し肌寒いから……」

「ホットにするっすか?」

「コーラをお願い」

 太郎が、苦笑いを浮かべて笑う。

「えー、その笑いは何?
 俺が、コーヒーと紅茶が飲めないの太郎も知ってるでしょ?」

「ホットミルクもあるっすけど……?」

「牛乳を飲むとお腹壊すんだ……」

「大変っすね」

「でしょ?」

「で、どうしたんすか?
 何か用事があって来たんじゃないんっすか?」

「小太郎に話があってな……」

「小太郎さんにっすか?」

 太郎が首を傾げる。
 すると小太郎が、店に入ってくる。

「よう!十三!来てたか!
 お前が俺に用事があるなんて珍しいな!」

「ああ……
 突然、メールしてごめんね」

 十三は昨日の夜、小太郎にメールを送った。

「俺は、ホットコーヒーを頼む」

「了解っす」

 小太郎は、そう言ってコーヒーをカップに注ぐ。

「で、話って何だ……」

「そのことなんだけど……
 美穂について調べてほしいんだ……」

「え?」

「俺の傍に居る美穂。
 あの子は、俺の知る美穂とは、違うんだ」

「そうか……」

「そっちで、調べることって出来るか?」

「俺が、調べることは出来ないが友人に探偵がいるからそいつに頼んでみるよ」

「そっか……
 お願いする」

「ああ……」

 その後は軽い雑談を済ませ、十三は病室へと戻った。
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