まっしろな遺書
2015年6月28日
雨。
歩の涙雨だろうか?
朝からポツポツと雨が降る。
今日の夜。
歩のお通夜が行われる。
充が亡くなってすぐに歩も亡くなった。
萌も山本も亡くなった。
万桜に至っては、世界を見ることさえ出来なかった。
十三の心の中が、えぐられたように痛い。
明日は、御葬式。
そして、火葬され骨になり暫く経って埋葬される。
これは、人が死ぬ時に行われるごく一般的なこと。
なのに、今は、涙さえ流れない。
涙が流れないのは十三だけじゃないみたいだ……
「君は、泣いてもいいんだよ?」
十三は、隼人に尋ねる。
「僕は、泣かないって決めたんだ」
「え?」
「マコや父さん、母さんが、死んだとき、僕は泣かないって決めた。
少しでも強くなりたいから……」
「そっか……」
小間 マコ……
隼人の2つ下の妹。
隼人の家族は、みんな亡くなった。
一家心中ってヤツだ。
隼人だけ、助かった。
「十三さんは、泣かないの?」
「俺は、少し冷たい男なんだ」
「そう?」
「今にも泣きそうな顔だけど……?」
「まぁ、俺は弱虫だから……
愛ちゃんは、大丈夫なのかい?」
「愛は、部屋でうずくまって泣いているよ」
「一緒に居てあげないのかい?」
「今は、1人の方がいいかなと思って……」
「そっか……」
十三は、そう言って缶コーラーを口に運ぶ。
隼人も缶コーヒーを口に運んだ。
なんというか……
この構成は逆のような気もする。
十三は、そんなことを思いながらコーラーを飲んだ。
雨。
歩の涙雨だろうか?
朝からポツポツと雨が降る。
今日の夜。
歩のお通夜が行われる。
充が亡くなってすぐに歩も亡くなった。
萌も山本も亡くなった。
万桜に至っては、世界を見ることさえ出来なかった。
十三の心の中が、えぐられたように痛い。
明日は、御葬式。
そして、火葬され骨になり暫く経って埋葬される。
これは、人が死ぬ時に行われるごく一般的なこと。
なのに、今は、涙さえ流れない。
涙が流れないのは十三だけじゃないみたいだ……
「君は、泣いてもいいんだよ?」
十三は、隼人に尋ねる。
「僕は、泣かないって決めたんだ」
「え?」
「マコや父さん、母さんが、死んだとき、僕は泣かないって決めた。
少しでも強くなりたいから……」
「そっか……」
小間 マコ……
隼人の2つ下の妹。
隼人の家族は、みんな亡くなった。
一家心中ってヤツだ。
隼人だけ、助かった。
「十三さんは、泣かないの?」
「俺は、少し冷たい男なんだ」
「そう?」
「今にも泣きそうな顔だけど……?」
「まぁ、俺は弱虫だから……
愛ちゃんは、大丈夫なのかい?」
「愛は、部屋でうずくまって泣いているよ」
「一緒に居てあげないのかい?」
「今は、1人の方がいいかなと思って……」
「そっか……」
十三は、そう言って缶コーラーを口に運ぶ。
隼人も缶コーヒーを口に運んだ。
なんというか……
この構成は逆のような気もする。
十三は、そんなことを思いながらコーラーを飲んだ。