まっしろな遺書
十三は、何気なく外を見た。
曇り空だった。
「散歩にでも行こうかな……」
十三は、そう言うと点滴に手を当てた。
その時は、千春が病室に入ってきた。
「何をしているのですか?」
千春が、十三を笑顔で睨んでいる。
「散歩に出かけようと思って、点滴が邪魔だから外そうかなと」
「ダメです!」
千春の顔が少し怖くなる。
「これ、引っ張るだけでいいんだよね?」
「そうですけど……
そうじゃないです。
外すのにもコツがいるんですよ?」
「そうなの?」
「はぁ……
とりあえず、外しますね」
千春は、ため息をついたあと点滴の針を抜いた。
「はい。
じゃ、ここを押さえて下さいね」
千春は、カーゼを押さえながら十三にそう言った。
「うん」
十三は言われるままにガーゼを押さえた。
「十三さんって、思ったよりせっかちなんですね」
「暇はつらいよ。
ねぇ、俺はいつ退院できるの?」
「それは、私にはわかんないです」
「そっか」
十三は、小さくうなずくと体を起こした。
「散歩に出るのですか?」
「うん」
「じゃ、私もお供しようかなぁー」
「え?」
十三は、一瞬不思議に思ったがすぐに理由がわかった。
自分が自殺したからだと……
また自殺されたら困るから……
そう考え言葉を放つ。
「大丈夫だよ。
自殺はしない」
「いえ、ついていきます」
千春は、真面目な表情で答える。
十三は、ゆっくり息を吸い込み……
そして、吐いた……
「お勧めの散歩コースとかある?」
十三がそう質問すると千春に笑顔が生まれる。
「はい!
案内しますね」
千春は、ニッコリと笑い十三の背中を押した。
曇り空だった。
「散歩にでも行こうかな……」
十三は、そう言うと点滴に手を当てた。
その時は、千春が病室に入ってきた。
「何をしているのですか?」
千春が、十三を笑顔で睨んでいる。
「散歩に出かけようと思って、点滴が邪魔だから外そうかなと」
「ダメです!」
千春の顔が少し怖くなる。
「これ、引っ張るだけでいいんだよね?」
「そうですけど……
そうじゃないです。
外すのにもコツがいるんですよ?」
「そうなの?」
「はぁ……
とりあえず、外しますね」
千春は、ため息をついたあと点滴の針を抜いた。
「はい。
じゃ、ここを押さえて下さいね」
千春は、カーゼを押さえながら十三にそう言った。
「うん」
十三は言われるままにガーゼを押さえた。
「十三さんって、思ったよりせっかちなんですね」
「暇はつらいよ。
ねぇ、俺はいつ退院できるの?」
「それは、私にはわかんないです」
「そっか」
十三は、小さくうなずくと体を起こした。
「散歩に出るのですか?」
「うん」
「じゃ、私もお供しようかなぁー」
「え?」
十三は、一瞬不思議に思ったがすぐに理由がわかった。
自分が自殺したからだと……
また自殺されたら困るから……
そう考え言葉を放つ。
「大丈夫だよ。
自殺はしない」
「いえ、ついていきます」
千春は、真面目な表情で答える。
十三は、ゆっくり息を吸い込み……
そして、吐いた……
「お勧めの散歩コースとかある?」
十三がそう質問すると千春に笑顔が生まれる。
「はい!
案内しますね」
千春は、ニッコリと笑い十三の背中を押した。