まっしろな遺書
　2015年2月22日

　少しい暖かくなりつつあるも、まだ寒い季節。
　十三は美穂と共に、少し寒い感覚が好きなので紹介してもらった庭のベンチに座る。
　するとそこには元太たちがいた。

「じゃー。鬼ごっこしようぜ！」

　元太が楽しそうに明るく言った。

「鬼ごっこ駄目だって言ったろ？」

　十三は注意をした。

「外だからいいじゃないか？」

「お前ら病人だろ？
　病人は病人らしく大人しくしてな！」

「ぶー」

　元太が頬を膨らませる。

「ってか、元太くんはゲームしないの？」

「しますよ。　
　今僕たち、バケットモンスターにハマっているんです」

「しますよー
　僕達は、今、バケットモンスターにハマっています！」

　充が得意げに言った。

「なら、それで遊べばいいじゃないか……」

「それだと兄ちゃんと遊べないだろ？」

　元太が、ため息交じりに言った。
　十三は、少し目頭が熱くなった。

　　俺の事を考えてくれたのか……

「お前ら、俺のことを考えてくれてたのか？」

　十三が、そう言うと元太君達は、苦笑いを浮かべた。

「隼人君と愛ちゃんもバケモンをやってるの？」

　美穂の問いに2人は頷いた。

「そっか……
　持ってないのは、私と一だけね。
　よし！お姉さんに任せなさい！」

　美穂は、頷いた。
　美穂は、何をする気なんだろう？
　美穂は、ただニコニコ笑っているだけ。

　昔の美穂なら、「私らのことなど考えないで自分らで遊びな！」って言っただろう。
　でも、美穂は、「任せなさい」と言っている。」

　十三には、今の美穂が何を考えているかわからなかった。
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