まっしろな遺書
2015年2月25日
十三は。散歩していた。
噴水の前をふらふらと歩いた。
すると懐かしい声が十三の耳に入る。
「十三くん」
十三は、あまりも懐かしい声に驚く。
「萌ちゃん!」
彼女の名前は、川田 萌(かわだ もえ)。
十三の幼なじみのひとりだ。
「一君どうして病院に居るの?」
「ちょっと具合が悪くてね……
入院しているんだ」
自分が癌だとは、言えなかった。
自殺未遂を犯したなんて言えなかった。
「そっかー」
「萌ちゃんこそどうしたの?」
「私は、宅配だよ」
「そっか……」
萌の家は、喫茶店をやっている。
その手伝いなのだろうと十三は思った。
「萌ちゃん、見ない間にずいぶん美人になったね」
「もしかして口説いてくれてる?
でも、私結婚したんだよー」
「そっか……」
「うん。子供も2人いるよ。
相手、誰だと思う?」
「もしかして、太郎?」
「え?
どうしてわかったの?」
萌が驚いている。
「勘かな……」
「十三君の勘、昔からいいよね」
「そうだね。
俺が、唯一自慢できる特技かな」
「宝くじとか買わないの?
もしかしたら、大当たりするかもだよ?」
「そうだね……
退院したら買ってみるよ」
「うん」
萌が小さく笑う。
嬉しそうに笑う。
「おかーさーん」
子どもがそう言って萌の方に近寄る。
「この子が、息子さん?」
「うん。
瓜って言うの、かっこいいでしょ?」
「そうだね……
太郎の面影も少しある」
「でしょ?
瓜は、お父さん似なんだー」
萌は、そう言って瓜の頭をなでた。
「お母さん
お客さんいっぱい来てるよ?」
「え?」
「お父さん、目をクルクルと回しているよ」
「それは、大変!
十三君、今度ゆっくり話そう!
私は、昔と同じ喫茶店で働いてるからさ!
時間がある時に来てよ!」
「ああ。
必ず行くよ」
十三がそう言って頷くと子どもといっしょん走り去る萌に手を振った。
十三は。散歩していた。
噴水の前をふらふらと歩いた。
すると懐かしい声が十三の耳に入る。
「十三くん」
十三は、あまりも懐かしい声に驚く。
「萌ちゃん!」
彼女の名前は、川田 萌(かわだ もえ)。
十三の幼なじみのひとりだ。
「一君どうして病院に居るの?」
「ちょっと具合が悪くてね……
入院しているんだ」
自分が癌だとは、言えなかった。
自殺未遂を犯したなんて言えなかった。
「そっかー」
「萌ちゃんこそどうしたの?」
「私は、宅配だよ」
「そっか……」
萌の家は、喫茶店をやっている。
その手伝いなのだろうと十三は思った。
「萌ちゃん、見ない間にずいぶん美人になったね」
「もしかして口説いてくれてる?
でも、私結婚したんだよー」
「そっか……」
「うん。子供も2人いるよ。
相手、誰だと思う?」
「もしかして、太郎?」
「え?
どうしてわかったの?」
萌が驚いている。
「勘かな……」
「十三君の勘、昔からいいよね」
「そうだね。
俺が、唯一自慢できる特技かな」
「宝くじとか買わないの?
もしかしたら、大当たりするかもだよ?」
「そうだね……
退院したら買ってみるよ」
「うん」
萌が小さく笑う。
嬉しそうに笑う。
「おかーさーん」
子どもがそう言って萌の方に近寄る。
「この子が、息子さん?」
「うん。
瓜って言うの、かっこいいでしょ?」
「そうだね……
太郎の面影も少しある」
「でしょ?
瓜は、お父さん似なんだー」
萌は、そう言って瓜の頭をなでた。
「お母さん
お客さんいっぱい来てるよ?」
「え?」
「お父さん、目をクルクルと回しているよ」
「それは、大変!
十三君、今度ゆっくり話そう!
私は、昔と同じ喫茶店で働いてるからさ!
時間がある時に来てよ!」
「ああ。
必ず行くよ」
十三がそう言って頷くと子どもといっしょん走り去る萌に手を振った。