まっしろな遺書
2015年2月27日
十三は、何気なく病院の庭を散歩していると昨日のたこ焼きおじさんと看護師がたこ焼きパーティーの後片付けをしているのを見つけた。
「あ、手伝いましょうか?」
十三は思わず声をかけてしまった。
するとたこ焼きおじさんが小さく笑みを浮かべて言う。
「あ、君は、昨日の……」
「今日もたこ焼きパーティーだったんですか?」
「そうだよ」
「昨日のたこ焼き美味かったです」
「そう言ってもらえるとこちらとしても嬉しいよ」
おじさんがニッコリと笑う。
「一緒に居た子は、彼女かい?」
「いえ……」
「そっか……
あの子は、君の事を大事に思っているよ。
大事にしてあげなさいね」
「はい……
あ、俺、詩空 十三って言います」
「俺の名前は、山本 昭三(やまもと しょうぞう)だよ。
大腸がんで入院している」
「俺は、脳腫瘍です」
「そっか……」
「はい……」
テンションが、2人で下がってしまった。
「若いのに大変だね」
「そうですね……
でも、何とかなってます」
十三は小さく笑う。
「俺ももっと気楽に考えなきゃな……」
「山本さんは、どうしてたこ焼きパーティーを開いているのですか?」
「簡単に言うと子供たちの笑顔が見たいからかな……」
「そうですか……」
「十三君は、どうして脳腫瘍がわかったんだい?」
「俺は……
俺は、自殺したんです」
「え?」
山本は、驚いているようだった。
十三も内心驚いていた。
なんでこんなこと言っているのだろう。
「それで、病院に運ばれて気が付いたら病院の個室。
俺が意識が無いうちに精密検査をやったら脳腫瘍とわかったらしいです」
「そうなのか……
申し訳ない、辛い話だったね。
聞いても良いかい?」
「何をです?」
「自殺の理由さ……」
「わかりません。
ただ、生きることに疲れたんです」
「そっか……」
「まぁ、自分で死ななくても病気で死ねるんですけどね」
「そっか……」
山本さんは、怒る事も無く叱る事も無く哀れにも思う事も無く、ニッコリと微笑んだ。
「生きていればいい事あるさ」
「俺もそう願います」
十三もそう言って笑った。
十三は、何気なく病院の庭を散歩していると昨日のたこ焼きおじさんと看護師がたこ焼きパーティーの後片付けをしているのを見つけた。
「あ、手伝いましょうか?」
十三は思わず声をかけてしまった。
するとたこ焼きおじさんが小さく笑みを浮かべて言う。
「あ、君は、昨日の……」
「今日もたこ焼きパーティーだったんですか?」
「そうだよ」
「昨日のたこ焼き美味かったです」
「そう言ってもらえるとこちらとしても嬉しいよ」
おじさんがニッコリと笑う。
「一緒に居た子は、彼女かい?」
「いえ……」
「そっか……
あの子は、君の事を大事に思っているよ。
大事にしてあげなさいね」
「はい……
あ、俺、詩空 十三って言います」
「俺の名前は、山本 昭三(やまもと しょうぞう)だよ。
大腸がんで入院している」
「俺は、脳腫瘍です」
「そっか……」
「はい……」
テンションが、2人で下がってしまった。
「若いのに大変だね」
「そうですね……
でも、何とかなってます」
十三は小さく笑う。
「俺ももっと気楽に考えなきゃな……」
「山本さんは、どうしてたこ焼きパーティーを開いているのですか?」
「簡単に言うと子供たちの笑顔が見たいからかな……」
「そうですか……」
「十三君は、どうして脳腫瘍がわかったんだい?」
「俺は……
俺は、自殺したんです」
「え?」
山本は、驚いているようだった。
十三も内心驚いていた。
なんでこんなこと言っているのだろう。
「それで、病院に運ばれて気が付いたら病院の個室。
俺が意識が無いうちに精密検査をやったら脳腫瘍とわかったらしいです」
「そうなのか……
申し訳ない、辛い話だったね。
聞いても良いかい?」
「何をです?」
「自殺の理由さ……」
「わかりません。
ただ、生きることに疲れたんです」
「そっか……」
「まぁ、自分で死ななくても病気で死ねるんですけどね」
「そっか……」
山本さんは、怒る事も無く叱る事も無く哀れにも思う事も無く、ニッコリと微笑んだ。
「生きていればいい事あるさ」
「俺もそう願います」
十三もそう言って笑った。