まっしろな遺書
　2015年3月9日

　十三は、バケモンをする。
　だが、ひとりでやっていても虚しいだけだった。
　なので、散歩に出ることにした。

「少しあたたかくなってきたことだし、ひなたぼっこでもするかな」

　十三は、そう言ってベンチに座る。
　この季節のポカポカ陽気。
　ちょうどいい。
　十三はウトウトと目を閉じた。

　それから暫くの時が流れた。

「もしもーし。
　大丈夫ですかー？」

　十三はゆっくりと目を開ける。
　するとそこんは見知らぬ女性が立っていた。

「あ、えっと……」

　十三は言葉に困った。

「あ、よかった。
　元気そうだ」

「どなたですか？」

「私は、田村です。
　田村ゆかりです」

「俺は詩空　十三です」

「十三さんですね」

「はい」

　十三はゆっくりとゆかりのお腹に視線をずらした。

「お腹に赤ちゃんがいるんだ」

　ゆかりは、そう言って照れ笑いを浮かべた。

「おめでとうござます」

　ゆかりは、そう言って十三の隣に座った。
　そして暫く雑談をしたあと千春に見つかった十三は病室へと連れて行かれた。
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