まっしろな遺書
 2015年3月10日

 十三は、中庭にて退屈そうにバケモンをしていた。
 ずっと子どもたちにバケモン勝負で負け続けている。
 勝負は勝てば嬉しいものだけど負けてばかりではつまらない。
 十三はつまらなさそうにあくびをする。
 勝負に負けるのもイヤなので十三は強いバケモンを作るべく配合ばかりをくりかえしていた。
 するとふたりの女性が、十三の前に立った。

「十三くんみっけ」

 萌だった。
 そして隣にいたのが、ゆかりだった。

「あ、萌ちゃんとゆかりさん」

「また会ったね」

 ゆかりが、ニッコリと笑う。

「そうですね」

「えー。
 十三君、ゆかりさんともう知り合いだったの?」

「うん。
 昨日知り合ったんだ」

「私は、さっき知り合って仲良くなったんだー」

萌ちゃんが、嬉しそうに答える。


「そっかー」

「赤ちゃんが出来たら抱かせてもらうんだー」

 萌は、嬉しそうに笑った。

「私、子供は初めてだから色々教えてもらうんだー」

 ゆかりも楽しそうに笑った。
 ゆかりと萌は似たもの同士だった。
 雰囲気、話し方そういうのが似ていた。

「2人は、仲良しなんだね」

「うん!」

 ふたりは、声を合わせて答えた。
 その後は、雑談に花が咲き。
 十三はゲームをする暇が無かった。
 でも、楽しかった。
 こういうものもいいかもしれない。
 十三は、そう思った。
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