まっしろな遺書
2015年3月13日
今日は金曜日。
子どもたちは病院内で怪談話をしている。
十三の部屋で……
カーテンを閉め電気を消して薄暗く。
そしてロウソクを持っていた。
ロウソクに人つけようとしたので、十三はそのロウソクを没収した。
「兄ちゃん!ケチだぞ!」
元太が、そう言って十三を睨む。
「火事になったらどうする……
ほれ、懐中電灯だ。
これで怪談話でもしてくれ」
十三はそう言って懐中電灯を隼人に渡した。
そして、怪談話が始まる。
しかし、子どもたちの怖い話を聞いても十三は少しも怖くなかった。
学校に花子さんがいるとか、二宮金次郎が、毎晩グラウンドを走っているとか……
そして、話がピタリと止まる。
「十三さん」
充が真剣な眼差しで十三を見る。
「どうしたんだい?」
「十三さんも、何か怖い話をしてくださいよ」
「怖い話と言ってもなぁー」
「この中で唯一、学校を知っているのは十三さんだけなんです。
是非、何か怖い話をしてください」
「唯一って……
充君たち学校は行ったことないの?」
「本当なら今年から1年生なのですが……
学校って行ったことないんです」
「そうなのか……」
なんか、胸が熱くなった。
「そうだな……
恐怖の餃子ってのは、どうだ?」
「それって、フタに餃子がついていたってヤツか?」
元太君が、目を細めて言う。
「知っていたか……」
「お兄さん、もっとないのー?」
「あんま怖い話は知らないんだ……」
「じゃ、学校の思い出話とかしてほしいな」
歩ちゃんが、そう言うと十三は少し考える。
「そうだな……
小学校の頃の話でもしようか……」
「聞きたい!」
歩ちゃんが、嬉しそうに笑う。
十三は、ゆっくりと小学校の頃の話をした。
萌の話。
太郎の話。
小太郎の話。
色んな話をした。
最初は、興味なさそうに聞いていた隼人も耳を傾け聞いている。
愛ちゃんも楽しそうだ。
子供たちが喜んでいる。
十三は思った。
学校の思い出話で、こんだけ盛り上がるんだから実際に学校に行ったら楽しいんだろうな。
そう思うと十三の目に涙が浮かんだ。
今日は金曜日。
子どもたちは病院内で怪談話をしている。
十三の部屋で……
カーテンを閉め電気を消して薄暗く。
そしてロウソクを持っていた。
ロウソクに人つけようとしたので、十三はそのロウソクを没収した。
「兄ちゃん!ケチだぞ!」
元太が、そう言って十三を睨む。
「火事になったらどうする……
ほれ、懐中電灯だ。
これで怪談話でもしてくれ」
十三はそう言って懐中電灯を隼人に渡した。
そして、怪談話が始まる。
しかし、子どもたちの怖い話を聞いても十三は少しも怖くなかった。
学校に花子さんがいるとか、二宮金次郎が、毎晩グラウンドを走っているとか……
そして、話がピタリと止まる。
「十三さん」
充が真剣な眼差しで十三を見る。
「どうしたんだい?」
「十三さんも、何か怖い話をしてくださいよ」
「怖い話と言ってもなぁー」
「この中で唯一、学校を知っているのは十三さんだけなんです。
是非、何か怖い話をしてください」
「唯一って……
充君たち学校は行ったことないの?」
「本当なら今年から1年生なのですが……
学校って行ったことないんです」
「そうなのか……」
なんか、胸が熱くなった。
「そうだな……
恐怖の餃子ってのは、どうだ?」
「それって、フタに餃子がついていたってヤツか?」
元太君が、目を細めて言う。
「知っていたか……」
「お兄さん、もっとないのー?」
「あんま怖い話は知らないんだ……」
「じゃ、学校の思い出話とかしてほしいな」
歩ちゃんが、そう言うと十三は少し考える。
「そうだな……
小学校の頃の話でもしようか……」
「聞きたい!」
歩ちゃんが、嬉しそうに笑う。
十三は、ゆっくりと小学校の頃の話をした。
萌の話。
太郎の話。
小太郎の話。
色んな話をした。
最初は、興味なさそうに聞いていた隼人も耳を傾け聞いている。
愛ちゃんも楽しそうだ。
子供たちが喜んでいる。
十三は思った。
学校の思い出話で、こんだけ盛り上がるんだから実際に学校に行ったら楽しいんだろうな。
そう思うと十三の目に涙が浮かんだ。