まっしろな遺書
 2015年3月16日


 今日も、歩たちは勉強会。
 暇な十三は、隼人と愛を連れて歩ちゃんたちが勉強している教室に冷やかしに行った。

 すると、はるかが教壇に立ち歩たちに勉強を教えていた。

 歩は、十三の存在に気が付くと俺に手を振った。
 それを見たはるかも、十三の存在に気付く。
 そして、教室のドアが開かれる。。

「また、貴方ですか?」

「あ、すみません。
 なんか、歩ちゃんたちが、勉強していると聞いたので遊びに来ました」

「貴方にとってそれは、遊びかも知れません。
 ですが、子供たちにとって勉強は仕事なんです」

「すみません……」

「もしかして、貴方。
 ロリコンですか?」

「え?」

 はるかの発言に十三は、目を丸める。

「違うよ。
 この人、こう見えて彼女いるよ」

 隼人が、そう言ってフォローを入れる。

「そうなの?」

「うん。
 とっても綺麗な人だよ」

「へぇー。
 そんなに綺麗なのなら、私も見てみたいです。
 写メ見せてください」

「えっと……
 写真はないです」

「そうなのですか?
 残念です」

「すみません……」

「あ、私写真持っているよ」

 愛が、そう言ってスマホをポケットから取り出す。

「はい、写真」

 愛ちゃんは、そう言って携帯に写った写真を俺たちに見せてくれた。

 俺と美穂が、一緒に移っている写真だった。
 同じ布団で寝ている。

「へぇー
 ラブラブなんですね」

 はるかの視線が痛く感じる。

「いつのまにこんな写真を撮ったの?」

 十三の問いに愛は、ニッコリと微笑んだ。

「お兄さんたちが昼寝しているときに撮ったの」

「へ、へぇ……」

「愛ちゃん、盗撮は犯罪だからダメだからね」

 はるかが、そう言うと愛は頷いた。
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