まっしろな遺書
2015年3月20日
十三の風邪は、まだ完全には回復してはいない。
熱は、37.8度。
昨日に比べれば、大分楽になっていた。
今日も寝るか。
そう思った十三の部屋にひとりの客がやってきた。
萌だった。
「あ、萌ちゃん。
おはよう」
「ん。十三君、おはよう。
風邪は大丈夫?」
「うん、昨日に比べればだいぶん楽だよ」
「そう、よかった」
萌がニッコリと笑う。
「心配かけてごめんね」
「うんん。
今日はね、十三君に報告があるんだ」
「なに?」
「私、日曜日に手術することが決まりました」
「そっか。
成功すると良いね」
「うん。
でも、転移の可能性もあるから油断できないって……」
「そっか……
でも、大丈夫だよ。
癌は、治る病気だから……」
「うん」
萌は、ニッコリと笑う。
「あ、リンゴ食べる?
美味しいリンゴ持ってきたんだ」
「うん、ありがとう」
萌は、カバンからリンゴと果物ナイフを出すと丁寧に剥いて十三に渡した。
「はい!うさぎさんだよ」
萌は、そう言って十三にうさぎさんリンゴを渡した。
十三は、それを口に運ぶ。
「あ、美味しい」
正直な感想だった。
「でしょ?
ウチの取引先のリンゴなんだー。
とっても美味しくて評判がいいんだよー」
「リンゴ単体で出してるの?」
「うんん。
アップルパイに使っているんだー」
「食べてみたいな」
「うん!
退院したら食べにおいでよ!」
「うん」
「じゃ、ゆびきり」
「え?」
「お互い病気が治ったら、私の家でアップルパイを食べること」
萌は、昔から指切りが好きだった、
十三は、それを懐かしく思い恥ずかしがりながらもゆびきりをした。
萌の手術が成功しますように……
そう祈って……
十三の風邪は、まだ完全には回復してはいない。
熱は、37.8度。
昨日に比べれば、大分楽になっていた。
今日も寝るか。
そう思った十三の部屋にひとりの客がやってきた。
萌だった。
「あ、萌ちゃん。
おはよう」
「ん。十三君、おはよう。
風邪は大丈夫?」
「うん、昨日に比べればだいぶん楽だよ」
「そう、よかった」
萌がニッコリと笑う。
「心配かけてごめんね」
「うんん。
今日はね、十三君に報告があるんだ」
「なに?」
「私、日曜日に手術することが決まりました」
「そっか。
成功すると良いね」
「うん。
でも、転移の可能性もあるから油断できないって……」
「そっか……
でも、大丈夫だよ。
癌は、治る病気だから……」
「うん」
萌は、ニッコリと笑う。
「あ、リンゴ食べる?
美味しいリンゴ持ってきたんだ」
「うん、ありがとう」
萌は、カバンからリンゴと果物ナイフを出すと丁寧に剥いて十三に渡した。
「はい!うさぎさんだよ」
萌は、そう言って十三にうさぎさんリンゴを渡した。
十三は、それを口に運ぶ。
「あ、美味しい」
正直な感想だった。
「でしょ?
ウチの取引先のリンゴなんだー。
とっても美味しくて評判がいいんだよー」
「リンゴ単体で出してるの?」
「うんん。
アップルパイに使っているんだー」
「食べてみたいな」
「うん!
退院したら食べにおいでよ!」
「うん」
「じゃ、ゆびきり」
「え?」
「お互い病気が治ったら、私の家でアップルパイを食べること」
萌は、昔から指切りが好きだった、
十三は、それを懐かしく思い恥ずかしがりながらもゆびきりをした。
萌の手術が成功しますように……
そう祈って……