まっしろな遺書
2015年3月28日
深夜の夜。
病院内にサイレンが鳴り響く。
いつもの光景。
見慣れた光景のはずだった。
深夜の1時。
それは十三にとって眠れぬ夜の出来事だった。
十三ののスマホが鳴った。
発信者は太郎。
「もしもし。
太郎、こんな時間にどうした?」
「萌さんが、意識を失って倒れたっす」
俺の頭の中が真っ白になる。
先ほどの救急車のサイレンは、萌の家に向かうモノだったのだ。
夜が明け、朝が来る。
俺は、萌ちゃんの病室に向かった。
萌の病室は、個室になっていた。
今、萌は静かに眠っている。
「十三さん、来てくれたんっすね」
「ああ……」
「十三さん、目の下にクマが出来ているっすよ?」
太郎が、苦笑いを浮かべる。
「ああ。
眠れなくてな、お前も目が真っ赤な上に目の下にクマが出来ているぞ」
「自分も眠れなかったっす……」
「子供たちは、どうしている?」
「今、自宅で眠っているっす。
子供たちも眠ってないっすからね……」
太郎は、苦笑いを浮かべ。
そして、すぐに涙を零した。
「太郎……」
「どうして萌さんが……
どうして萌さんがこんな目に……」
「太郎、君はないちゃダメだ」
「え?」
「君には子供たちがいる。
君は子供を護る義務がある。
なのに親の君、そんなんでどうするの?
萌ちゃんに何かあっても君には護るものがあるだろう?」
「そうっすね……
でも、自分は十三さんのように強くは、なれないっす……」
「俺は……強くはない……」
十三は頭のなかで呟いた。
そう強くなんてない。
俺は、いつだって誰よりも弱い。
十三は、ため息をつくとゆっくりと缶ジュースを太郎に渡した。
「ありがとうっす」
太郎は、十三から缶ジュースを受け取るとふたを開け一気に喉に流し込んだ。
深夜の夜。
病院内にサイレンが鳴り響く。
いつもの光景。
見慣れた光景のはずだった。
深夜の1時。
それは十三にとって眠れぬ夜の出来事だった。
十三ののスマホが鳴った。
発信者は太郎。
「もしもし。
太郎、こんな時間にどうした?」
「萌さんが、意識を失って倒れたっす」
俺の頭の中が真っ白になる。
先ほどの救急車のサイレンは、萌の家に向かうモノだったのだ。
夜が明け、朝が来る。
俺は、萌ちゃんの病室に向かった。
萌の病室は、個室になっていた。
今、萌は静かに眠っている。
「十三さん、来てくれたんっすね」
「ああ……」
「十三さん、目の下にクマが出来ているっすよ?」
太郎が、苦笑いを浮かべる。
「ああ。
眠れなくてな、お前も目が真っ赤な上に目の下にクマが出来ているぞ」
「自分も眠れなかったっす……」
「子供たちは、どうしている?」
「今、自宅で眠っているっす。
子供たちも眠ってないっすからね……」
太郎は、苦笑いを浮かべ。
そして、すぐに涙を零した。
「太郎……」
「どうして萌さんが……
どうして萌さんがこんな目に……」
「太郎、君はないちゃダメだ」
「え?」
「君には子供たちがいる。
君は子供を護る義務がある。
なのに親の君、そんなんでどうするの?
萌ちゃんに何かあっても君には護るものがあるだろう?」
「そうっすね……
でも、自分は十三さんのように強くは、なれないっす……」
「俺は……強くはない……」
十三は頭のなかで呟いた。
そう強くなんてない。
俺は、いつだって誰よりも弱い。
十三は、ため息をつくとゆっくりと缶ジュースを太郎に渡した。
「ありがとうっす」
太郎は、十三から缶ジュースを受け取るとふたを開け一気に喉に流し込んだ。