まっしろな遺書
 2015年4月3日

 曇天な空は今にも雨が振りそうだった。
 昨日一日中歩いたため十三は、筋肉痛でダウンしていた。

 それに反して子供たちは、相変わらず十三の部屋でバケモンを楽しんでいる。
 すると、ゆかりが十三の部屋を訪れる。

「やっほー。
 十三君、遊びに来たよー」

「あ、ゆかりさん。
 おはようございます」

「うん。
 おはよー」

「あー!
 ゆかりさんだー!」

 歩が、嬉しそうにゆかりの方に近づく。

「歩ちゃんもおはよう!」

「おはよー」

 歩が元気に挨拶する。

「今日は、土産話を貰いに来たわよー」

 ゆかりは、そう言ってニッコリと微笑む。

「いっぱいあるよー」

 歩が、そう言うと子供たちは一気にゆかりの周りに集まった。
 隼人と愛以外は……

 2人は、興味なさそうに十三の隣でゲームをやっている。

「へぇー。
 どんなお話なのかな?」

 ゆかりは、子供たちに尋ねた。

「お兄さん、お弁当を忘れたんだよー」

 歩が、クスクスと笑う。

「いや、弁当持参とか聞いて無くて……
 ましてや、みんな弁当を作ってきてるとかも思わなかった……」

「だからね、はるか先生にお弁当を貰ったんだよー」

「あら、そうなの?
 お弁当美味しかった?」

 ゆかりは、嬉しそうな顔で俺に尋ねた。

「うん。
 美味しかった……
 でも、たぶんあらかじめ、はるか先生が用意してくれていたんだと思うけど……」

「そうなの?」

「たぶん……」

「ふーん。
 十三君とはるか先生、仲は良いの?」

「微妙ですね……」

 充がそう答えるとみんな苦笑いをした。
 そうして、十三の平和な一日が過ぎていった。
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