まっしろな遺書

　2015年4月13日


　雨。しっかりと雨。

　子供たちは、院内学級。
　子どもたちは口をそろえて高いっている。

「早く病気を治して学校に入りたい」

　一応学校に名前はあるけれど、まだ一度も学校にいけていない。
　十三にとって学校は、嫌なことだらけの場所だったが……
　子供たちにとっては、楽しみのところなのだ。

　十三は、虐められっ子だった。
　思い出すのも嫌な日々だった。

　美穂は仕事で、今日はいない。
　なので、十三は、ゆかりとまったりと待合室で雑談をしていた。

「ゆかり！
　見つけたぞゆかり！」

　そう言って現れたのは、この間の男だった。

「小十郎さん……？」

　ゆかりの顔が、一瞬で青ざめる。

「貴様！この間の男じゃないか！
　やっぱりお前とゆかりは、出来ていたのか！」

　小十郎は、そう言って十三の方を睨みそして速足で近づいてくる。
　そして、殴る……殴る……殴る……

　十三は、ケンカが弱い。
　と言うより人を殴れない。
　殴る勇気が無い。
　ホント、情けない……

　十三が殴られるままに殴られていると、ゆかりさんが悲鳴をあげる。

「小十郎さん止めて！」

　すると小十郎はそれを止めようとするゆかりを睨んだ。

「お前も同罪だ！」

　小十郎は、ゆかりに拳をあげた。
　十三はその拳を掴んだ。

「ゆかりさんは、妊娠してるんだぞ！」

「そんなの関係ない！
　俺を怒らせたコイツに罰を与える！
　離せ！」

　小十郎は、そう言って十三を殴る。

　十三は、その攻撃を避ける。
　そして、カウンターを入れてみた。

　十三の拳は、小十郎の顔に命中。
　だけど、小十郎にはダメージを与えれなかった。
　しかし、その時に出来た一瞬の隙に警備員が集まり小十郎を取り押さえることが出来た。
　そして、十三は、千春に軽く手当てを受けたあと、自室に戻るように言われた。