まっしろな遺書
 2015年4月17日


 桜も散る4月の半ば。
 俺と美穂は、病院内の公園でぼけーっと座っていた。
 ゆかりもそれに混じりぼけーっと日向ぼっこ。

「ちょっと肌寒いね……」

 美穂が、太陽を見る。

「桜散ってるね」

 はるかが、そう言って地面に落ちた桜の花びらを拾い上げ、それを地面に落とした。

「はなふぶきー」

 美穂が、そう言って笑っている。
 ゆかりさんも笑っている。

「楽しそうだね」

 すると山本さんが、そう言って現れる。

「あ、お久しぶりです」

「ああ、お久しぶり。
 元気にしてたかい?
 って、入院している子に聞くのはおかしいか……」

「まぁ、ボチボチです」

「今度、またたこ焼きパーティーをやるから、また来てくれるかい?」

「もちろんです!」

 十三は、うなずいた。

「痛い……」

 ゆかりさんが、うずくまる。

「ゆかりさん?」

「陣痛よ!
 そう言えば、出産日がそろそろ近いんじゃ?」

「俺、看護師さん呼んでくる」

 十三はは、走って千代田を公園まで呼んできた。
 千代田は、すぐに係りつけの担当医を呼び、ゆかりは分娩室へと運ばれた。
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