まっしろな遺書
2015年4月25日
万桜の葬儀は、近親者のみで行われた。
とある病院から、標本サンプルにしたいとの声が来たらしいけど、ゆかりはそれを断った。
万桜は、人間なのだから……
自分の子を興味本位の標本にされるのは、誰だっていやだろう。
「亡くなっちゃったんだね」
美穂が、そう言って空を見る。
「……うん」
「ゆかりさん辛いね……」
空から数枚の桜の花びらが舞い降りる。
「うん」
「ちょっと遅咲きの桜だね」
「そうだね」
十三は、舞い降りる桜を一枚握り締める。
「十三君、美穂ちゃん。
来てくれたんだ?」
ゆかりが、喪服を着て現れる。
「ゆかりさん……
なんて言ったらいいか……」
十三が、戸惑っていると美穂が背中を押した。
「ゆかりさん、一日だけなら十三を貸してもいいです」
「え?」
十三は、耳を疑った。
「いいの?」
「うん」
「一日彼氏」
「何してもいいの?」
「うん」
「キスもエッチも?」
「それは、ダメ……」
「それは、残念……」
ゆかりは、苦笑いを浮かべた。
「今日は、忙しいだろうから、明日、十三を貸すね」
「うん」
「こき使っていいから」
「うん」
十三の意見など無視して、2人の中で話が進んでいく。
十三は、それもいいかと思った。
万桜の葬儀は、近親者のみで行われた。
とある病院から、標本サンプルにしたいとの声が来たらしいけど、ゆかりはそれを断った。
万桜は、人間なのだから……
自分の子を興味本位の標本にされるのは、誰だっていやだろう。
「亡くなっちゃったんだね」
美穂が、そう言って空を見る。
「……うん」
「ゆかりさん辛いね……」
空から数枚の桜の花びらが舞い降りる。
「うん」
「ちょっと遅咲きの桜だね」
「そうだね」
十三は、舞い降りる桜を一枚握り締める。
「十三君、美穂ちゃん。
来てくれたんだ?」
ゆかりが、喪服を着て現れる。
「ゆかりさん……
なんて言ったらいいか……」
十三が、戸惑っていると美穂が背中を押した。
「ゆかりさん、一日だけなら十三を貸してもいいです」
「え?」
十三は、耳を疑った。
「いいの?」
「うん」
「一日彼氏」
「何してもいいの?」
「うん」
「キスもエッチも?」
「それは、ダメ……」
「それは、残念……」
ゆかりは、苦笑いを浮かべた。
「今日は、忙しいだろうから、明日、十三を貸すね」
「うん」
「こき使っていいから」
「うん」
十三の意見など無視して、2人の中で話が進んでいく。
十三は、それもいいかと思った。