夢道
誰もいなくなったロビーで
一人窓の外を眺めていた。
「私、何してきたんだろ……。」
窓に自分の顔が映る。
その顔の頬には、
一筋の線ができていた。
いまだ過去から進めずにいて、
大切な人を
求め続けている。
ずっと現実を受け入れられないまま。
いつか突然
帰ってくるんじゃないかって、
会えるんじゃないかって。
窓の外の景色は
すごくきれいだった。
ノイさんは大切な人。
大切な人と一緒にいられること、
一緒に時間を共にできること。
それが幸せなら、
私は今、幸せですか…?
ずっと、
その答えは出ないまま
私は窓の外の星を眺めていた。