夢道


その暗い暗い世界の中で

私は一人、

小さくうずくまっていた。


何をするか、

なんてことはない。


ここには何もないんだ。


物も音も風も、

感情も人も。


だから私は

小さくうずくまっていた。


また誰かが

助けてくれるのを

待っていたのかもしれない。


私はいつだって

そうだった。


人に頼ってばかりで、

自分では

何も出来ていない。


そんな私だったから、

私の周りの人は

いなくなっていって、

私はひとりになったんだ。



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