夢道
◇
その暗い暗い世界の中で
私は一人、
小さくうずくまっていた。
何をするか、
なんてことはない。
ここには何もないんだ。
物も音も風も、
感情も人も。
だから私は
小さくうずくまっていた。
また誰かが
助けてくれるのを
待っていたのかもしれない。
私はいつだって
そうだった。
人に頼ってばかりで、
自分では
何も出来ていない。
そんな私だったから、
私の周りの人は
いなくなっていって、
私はひとりになったんだ。