夢道


あの時は、

遊んだままにして

この本棚には

戻ってこなかったから、

挟んだものを

取り出した覚えがなかった。


私は、

あの時何かを挟んだ本を

必死に探した。


過去につながる何かを、

見られると思ったら

私はいつの間にか

夢中になっていた。


この本棚だけでも

何百冊という本が、

所狭しと隙間なく

並べられている。


それでも私は、

上から順番に

本を開いていった。



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