夢道
◇紙切れ
本を開いていっても、
どの本も変わらず
文字が並んでいるだけだった。
何かが挟んである本など
一冊もなかった。
数十冊の本を
見終えたところで、
私はすこしづつ
不安が募っていった。
もしかしたら
もうそんなものは
ないのかもしれない。
私たちが昔、
ここで遊んでから
だいぶ日にちが
たっている。
誰かがその本を読んで、
取り出してしまったのかもしれない。
そう思ったけど、
私は諦めずに根気よく、
本を開いて行った。