夢道
◇左手の少年
楽しみなことがあると、
時間はいつも以上に
長く感じられるものだった。
毎日のように、
いろいろなことを
教えられているときでも、
私の心は
遠くにあり、
勉強などに
集中できなかった。
そんな長い長い
一日、
一日を過ごしながら、
少しづつ祭の日は
近付いてきた。
そして、
待ちに待った
祭の日の朝が
やってきた。
その日の朝は、
早くから城の中も
慌ただしくしている人が
たくさんいた。
部屋の窓から
城の外をのぞいてみても、
外も同じように
慌ただしくしている人が
たくさんいた。