smile~わらって~

中にはたくさんのアルバム。

一番端のアルバムをそっと出してきて、

表紙をめくる。

幼い頃の俺と…あの女。

俺と親父を捨てた憎い母親。

あいつは…

あいつは俺らを捨てて親父まで…

死に追いやったんだ。

「ごめんねルイ先に入っちゃって…
どうしたの?!」

そう言ってさきが俺に近づく。

さきは俺の前まで来てそっと俺の頬を親指で拭う。

さきの親指を見ると濡れている。

俺泣いてたのか…

「大丈夫、大丈夫。
あたしが居るから。
ルイの隣にはあたしがいるから。」


…そうだよな。

俺は一人じゃない。

さきがいる。

それにさきにも俺がいる。

家族がいる。

「今日は寝よ?」

「うん。」

その晩、俺は夢をみた。

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