手紙-あなたへ。-
いつでもそうだ…

いつも大事な時に
弘毅は私の側にいなくて
ほとぼり醒めてからしか
側には来てくれない…

無性に腹が立って
無性に悲しくなって
私は店の近くの
自動販売機の前に
しゃがみこんで泣いた。

前を行き交う男達には
酔って潰れた
どこかの店の子が
気持ち悪くて泣いている…

そうとしか映らないだろう


好きじゃない。

私がお客さんを
好きになるわけない。

お客さんとの恋愛は
誓ってない。

誰にでも言い切る私が
まさか…


自分の気持ちが
分からなくなった。

要が私に優しくするのが
女を落とす一つの手段なら
もう辛い思いは懲り懲りで
二度と顔も見たくない。

別れた旦那がそうだった。
辛くて辛くて
結婚生活の中で何一つ
幸せな思いは無かった。

最初は優しい声で
楽しい思い出をくれて
引っ掛かれば終わり。

私が思っても思っても
伝わらないなら
都合よく思われるだけなら
そんな思いは嫌。
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