手紙-あなたへ。-
私と香澄が出会ったのは
高校二年生の夏だった。

当時の私たちは
荒れに荒れていて
学校も警察も親も
手のつけようがない程で。

学校への行き道には
警察と鬼ごっこ。

帰り道には他校の生徒と
殴り合いの喧嘩。

それが普通であって
それが楽しいと思える程
ぶっ壊れていた。

香澄と私も喧嘩した仲だ。

だけど他との違い…
香澄は喧嘩した後に
私に握手を求めてきた。


「友達、なってよ。
真野麗奈」


当時の私は無愛想で
香澄を睨み付けて
そのままその場を去った。

その数日後、事件は起きた。

いつものように
喧嘩を売られて買った。

喧嘩が始まってすぐに
私はある事に気づく。


相手が一人じゃない事に。


喧嘩で負けた事のない
そんな私が袋だたきだった。

相手は十人以上いて
どんなに本気を出しても
勝てっこなかった。

そんな時だった。

香澄が現れた。


「麗奈、かましたれ!」


結局負けたのだが。

香澄も私も全治二ヶ月の
大怪我を負ったのだが。
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