黄色いパーカー【仮】
その背中には、“勝利”という言葉が見えた気がした。


目を瞑って、勝ちたい、と願う。


わたしはベンチに戻り、コーチの隣へと座った。


すると、コーチは、わたしの肩をポンと叩き、ひとこと言った。



「6番は、確実にエース番号だ。よくやってくれたな、お疲れさま」



その言葉を聞いて、じわっと目頭のあたりが熱くなる感じがした。


肩の痛みと、悔しい思いが混じっている。


でも今は、泣くときじゃない。そう自分に言い聞かせた。



エースを欠いたそのチームは、惜しくも79対80で負けてしまう。


大会連覇を狙っていた南桜中学校は、全中準決勝、敗退。



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