キミと見た、あの空を。
あたしは千真くんに教えてもらった通りに、マネージャーさんの所へ行った。
グラウンド内にマネージャー室なるものがあるらしい。さすが強豪校。
グラウンドを歩いてると、それらしき建物を発見した。
ーーーコンコン
ノックすると、中から「はい!」と返事が聞こえた。
ドアが開いて出てきたのは、ジャージ姿の先輩だった。
うわー、めっちゃ綺麗な人だなぁ…モデルさんみたい。
ボブの髪の毛はサラッとしてて、目はぱっちり二重。顔はちっちゃいし、背が高くて…
完璧とはこのことだろうなって思う。
「ん?どうしたの?」
先輩が言った。
やばっ また見つめてしまってた…
「あ、あの。マネージャー希望で来ました!1-Bの、明石愛桜です!」
「あぁ、マネ希望!大歓迎だよ!
あたしは、2年の真田光希(サナダ ミツキ)です!」
そう言って、光希先輩はにこっと笑った。
「じゃあ、今日はとりあえず練習見ながら
色々話そっか~!」
「は、はい!」
「ついてきて~」
「はい!」
やばい、めっちゃ緊張する〜...
はい!しか言えない、、、
すると、光希先輩がくるっと振り返った。
「あははっ、
そんなに緊張しなく大丈夫だよ〜(笑)」
「あ、はい!」
「うん、いい返事!(笑)
うちの野球部はね、何よりも礼儀とか挨拶を大事にしてるんだ。どこのチームにも負けないように!って。」
「へぇ!そうなんですか!」
「で、愛桜ちゃんは、どうして野球部のマネージャーになりたいの?」
「あ、あの、みんなには馬鹿にされるんですけど、でもホントに、甲子園に...行きたくて。」
そんな理由じゃ、ダメかな...?
「え、何で馬鹿にするの?
あたしはわかるよ、その気持ち!」
「ホントですか?」
「うん、もちろん!マネージャーだって、やっぱり甲子園は憧れの場所だよ!
あたし、最初は野球はそんなに詳しくなかったんだけど。
やってるうちに野球が好きになったし、甲子園行きたい!って、思うようになったもん!」
...初めてだった。
同じように、甲子園に憧れてる人と出会ったのは。
今まで馬鹿にされてきた、あたしの夢。
でもここには、共感してくれる人がたくさんいるんだって。
そう思った。