好きっていって。
「おい、あの制服って私立一夜学院じゃね?」
登校してるとよくあること。
普通私達みたいな家柄の人は、執事がいるしメイドもいる。
だから歩いて通学ってのは珍しい。
龍の場合、車なんて乗ってらんねェとか言うから、私も一緒に徒歩通学。
だから、こういうチンピラにはよく絡まれる。
大抵お金目当てだ。
「こんなお坊ちゃま方がどうしてこんなところに?」
「あ、もしかしてわざと絡まれたかったのかな?」
「お望み通り、脅してやるよ。金なんていくらでももってんだろ?」
5人のチンピラはガハハと盛大に笑う。
そういって龍の腕を掴む。
「おいテメェ。その薄汚い手、どけろ。」
その場にいた全員の開いた口が塞がらない。
ただ、龍だけがニッと口角を上げる。
とても低くて、お腹に響く声を発したのは
ちんちくりんの私だったから。