年下の男の子



「一人になりたいときに、よく来てた
初めてです、誰かをここに連れて来たの」



風が吹く。


「俺はずっと、先輩に嫌われてると思ってた。
だから今日、誘ってもらえてすごく嬉しかった。
その時、先輩をここに連れて来たい
って思ったんです」



「…っそんなそぶり、一度も見せなかったのに」

「かっこつけてたんです。動揺がばれないように。

先輩の浴衣姿、すごく綺麗だし、

動揺を隠すの、結構必死でしたよ」


頬を赤くしながら、夏樹が恥ずかしそうに言った。


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