ユキゾラ。



コツン、と何かを落とす音がして

「……リエ?」


青白い顔でリエが立っていた。



「どーした」


落とした筆箱を拾い渡せば


「数学の教科書忘れちゃって借りようと思ったの!でも!全然平気!うん、他の子に借りる!」


何故か早口で弁解し始め

「じゃね!」


「あ、おい!」


脱兎の如く去っていった



< 53 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop