ユキゾラ。
彼と私


「ごめん、待たせた」


校門で私を待つ柔らかい金髪をみつけて走り寄る


「気にすんな、転ぶなよ」


ぶっきらぼうだけど優しい


クスッと笑って隣に並ぶ


きっと学校の皆は見れない、彼の冷めた口調。
 
無口であんまり喋ってくれなくて表情の変化がない

もう、きっと誰も知ることはないんだろう



「転ばないって!そんなバカじゃないわよ!」


ぷくっと頬を膨らませてみせれば

「うるせぇよドジが」

コツンと、軽く頭をどつかれる



触れたれた場所がじんじん熱くて

火照っていく顔を隠す



「ど、ドジじゃないし!」




きっと、“この”私ももう。

彼の前にしか存在しない




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