秘密の私と、秘密の彼。【更新中】



あぁ、ほんとに良かった・・・。



もし学校で何か命令されたら困るもの。



今まで大して園田くんと関わりのなかった私が彼の言うことを聞いている様子を見られたら、絶対皆に怪しまれる。

そして何があったのか問いただされる。


そんなことになったらほんとに困る。



でも、多分大丈夫だね。

根っからの意地悪じゃないみたいだし。




「じゃ、勝手にお邪魔しました」




園田くんはニコニコしながら玲にそう言って、私たちの元から離れていった。


それと同時に、感じる違和感。

ふと下を見ると、ブレザーのポケットに小さな紙切れが入っている。


私はそれをこっそりと開いて内容を確認した。




【“園田くん”って呼ぶの禁止。これから“浬”って呼べ】





・・・なんで?!




いやいや、明らかにダメでしょそれ!!


いきなり私が“浬”って呼び捨てにしたらおかしい!

なんか呼ぶの恥ずかしいし!

無理無理!絶対無理!




「千慧ってば」


「ほへぃ?!」




不意に名前を呼ばれ、間抜けな声が出る。

玲は頬をふくらませ、少しいじけたような表情を見せた。




「・・・また聞いてなかったな?」


「・・・ごめんなさい」





だってー!


園田くん、ワケわかんないこと命令してくるんだもん!






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