秘密の私と、秘密の彼。【更新中】
その後ホームルームが始まるまで玲と話していたけれど、
玲との話の内容はほとんど頭に入らなかった。
意識はずっと園田くんに集中したまま。
もし話しかけられて呼び捨てできなかったら、
秘密をバラされるんだろうか・・・。
そんなのダメ!ほんとダメ!
でも・・・。
園田くんを呼び捨てにするなんて・・・。
いやぁぁ無理!
とても呼べそうにないんですけど!
立ちはだかる難題に頭を悩ませながら、1時間目の授業の準備をする。
なんとなく、園田くんらしき視線を感じるけど・・・。
私は全く気づいていないフリをして教科書を取り出した。
──────────・・・
それから授業は4時間目まで順調に進み、結局園田くんを呼ぶ機会はなく私は内心ホッとしていた。
これ、案外いけるんじゃない?
4時間目の授業も何事もなく終わり、私は完全に油断していた。
今日はとりあえず呼ばなくて済みそう!
いつかは呼ばなきゃならないかもしれないけど、いきなりは無理だもん。
はぁ~よかった~・・・。
なーんて、安堵したのも束の間。
「風澄」
「え、あ、上田先生」
「これ、資料室に持ってってくれるか?」
「あぁ、いいですけど・・・」
「ん~1人じゃ無理だな・・・。あ、園田!」
げぇぇぇぇえええ!!
先生の口から出た名前に、私は動揺を隠せない。