秘密の私と、秘密の彼。【更新中】
先生が園田くんを選んだのは、単に彼が学級委員だからだと思う。
先生が悪いワケじゃないけど私は心の中で先生をこのやろう!と憎んだ。
神様って、ほんとにイジワル。
そう思いながら教室を出た。
園田くんは資料の束を抱えたまま、廊下の真ん中で立ち止まっている。
・・・もしかして、私のこと待ってくれてるの?
何だか照れくさい気持ちになって、足早に園田くんの元へ駆け寄った。
「え、っと。・・・行きますか?」
「・・・」
勇気を出して声をかけてみる。
園田くんは黙り込んだまま。
・・・あれ?
行かないのかな?
「あの~・・・」
「・・・ぷっ」
「え」
私が戸惑ってもう一度声をかけると、園田くんはいきなり吹き出した。
「はははっ、あ~うける」
可笑しそうに笑う園田くんの顔をちらりと見る。
あの意地悪な笑顔ではなく、純粋な優しい笑顔に私は思わずみとれた。
「ほんっと、風澄ってツイてないよなぁ!同情するよ」
・・・前言撤回。
そう言ってまた悪戯な笑顔に戻った彼に、私はむっとする。
「しなくて結構ですっ!」
「あっははは、怒んなよ~!」
「怒ってないです」
「顔が怒ってるし」
なんなのよもう!
私は園田くんを追い越して、そそくさと資料室に向かった。
園田くんはそのままのペースで笑いながら私の後を追ってくる。