秘密の私と、秘密の彼。【更新中】
「・・・か、」
「え?か?」
「・・・浬」
どうしていきなり、彼の名前を呼び捨てにしたのかは分からない。
なんとなく呼びたくなったから呼んだだけ。
・・・ここなら他に人もいないし。
「・・・」
名前を呼んでみたのに、浬は何も反応を示さない。
・・・あれ、おかしいな。
呼べって命令したじゃん・・・。
・・・だから呼んだのに。
浬は座ったまま動かない。
どうしたんだろうと思い、彼の側に行って彼の顔を覗いた。
「え・・・、真っ赤・・・」
「・・・っるせーよ」
恥ずかしそうにプイと顔を背ける浬。
その顔は耳まで真っ赤に染まっていて、見たことのない反応だった。
なんで・・・、そんなに赤くなってんの・・・。
「呼べって言ったの、浬でしょ?」
「や、そうだけど・・・。あーもう!何でもねぇよ」
「ムキになってる」
「ちげぇし!いきなり呼ばれたからビビっただけ」
「ふぅん・・・」
予想外の反応に、こっちまで顔が赤くなってきた。
私も浬から顔を背ける。
・・・ほんと、調子狂うなぁ。