秘密の私と、秘密の彼。【更新中】
恐る恐る、振り返ってみる。
声を掛けてきた人物は大体、想像がついていたけど。
もしかしたら知らない、声が似てるだけの人が電話で話しているのかも、なんて。
僅かな可能性に賭けて、私は振り返った。
「・・・園田くん」
やっぱりか。
私が名前を呼ぶと、目の前の彼はニッと悪戯っぽく笑った。
もう・・・最悪。最悪すぎて泣けてくる。
よりにもよって、こんな姿を見られたのがクラスメイトの園田浬だなんて・・・。
なんでこんな時間に、こんなとこに彼がいるのかは分からないけど。
・・・とにかく、最悪すぎる。
「よ、風澄」
「・・・」
「なんでシカトなんだよ」
園田くんは相変わらず笑みを浮かべたまま、私に話しかける。
シカトしてるワケじゃない。
ただ、私の頭の中がパニックを起こして、なんて言葉を出せばいいか分からないだけ。