秘密の私と、秘密の彼。【更新中】
「すごいカッコしてんな」
園田くんがいつまでも黙り込んでいる私の格好を指差して言う。
まぁ確かに、すごいカッコだよね・・・。
ど派手なメイクして、真っ赤なシルクのドレスの上から、真っ黒なカーディガン羽織ってるんだもん・・・。
「え、っと・・・。これはその・・・」
「学校とは正反対だな」
そう。
いつもの学校での私は、大して目立たない。
かといって別に、地味なグループにいるワケでもない。
要するに私はごく普通の女子高生なのだ。
私の通っている高校は、校則がとてつもなく緩いけど偏差値はなかなか高い。
周りの皆はほとんど髪を染めてるし、制服も着崩してちゃらちゃらしてる。
でも先生たちがそれを注意しないのは、この学校の生徒ほとんどがちゃんと勉強が出来るから。
多少身なりが悪くても勉強できちんと結果を出しているから、学校側も生徒を校則で縛らず自由にさせているのだろう。
そんな中、私は特に何もいじっていない。
髪も染めてないし、制服にもほとんど手をつけていない。
至って普通で、真面目な生徒。
だから、園田くんにとって今の私の姿はなかなか衝撃的だと思う。
「へーえ、風澄が・・・ねぇ」
「・・・な、なに」
「そのカッコみたら、大体なにしてんのか分かるよ」
そりゃそうだ。
こんな夜遅くに、こんな派手な姿してたら、何してるのかくらい分かるよね。
園田くんは口に出して言わないけど。