秘密の私と、秘密の彼。【更新中】
「おーはよ~」
私はその声を聞いた瞬間、はっと我に返り固まった。
・・・園田くんだ。
彼は明るくクラスメイトに挨拶しながら、自分の席へと向かう。
極力、その姿を視界に入れないようにして玲と話を続ける私。
「昨日ドラマ観た?」
「あぁ、えっとね、うん、観てない」
「えぇ~観なかったの?!超良かったのに!主人公がさ・・・」
「いきなり事故っちゃうんだよね、びっくりしたよ~」
「なんだ、観たんじゃん!」
「え、観たよ?」
「・・・千慧、今日どしたの」
意識が全部園田くんに集中してて、全然玲との会話が頭に入ってなかった。
玲は心配そうに私を見ている。
「なんでもないよ!ただの寝不足だって」
「・・・だって、1時過ぎに帰ってたもんなぁ」
「そそ、だから全然睡眠とってな・・・」
・・・え。
声のしたほうを向くと、そこには案の定園田くんが立っていた。
いや、ちょお!
ちょちょちょちょ・・・・!
何自然に会話に入ってんの???!!!
ていうか!
1時過ぎに帰ってた、とか言われたら・・・。
なんで園田くんが知ってるの?ってなるし!
なんで1時過ぎに帰ってたの?ってなるし!
ホステスのバイトして帰ってるとこを見られたからだよ、なんて言えないし!!!
もぉぉばかぁぁぁぁぁぁあああああ!!!
なんでそんなに馬鹿なのよおおおお!!!
園田くんに対して、心の中で怒りを爆発させる。