過去の私を求めて
これが現実
  

サクラが散って地面には花びらが無残な形となって落ちている。
サクラも一時期、みんなにチヤホヤされるが花が落ちればスカスカの木となって。
そして花はみんなに踏まれて踏まれて。まるで、裏切られたよう。あの時の表情はなんだったの。。



眩しい。最初は目を開けられずに、少し戸惑っていた。
あれ?私の部屋じゃない。
私は自分の部屋で寝ていたんじゃないの?
起き上がることが出来なかったけど一時の時間が流れて、やっと状況が
理解できた。

私は病院にいるらしいのだ。
ただ、ぼーっとしていてあたりを見渡していた。
すると、きーっとドアの音。
懐かしい。小さい頃、おばあちゃんのお見舞いに行ったとき、
このキーッとなんともいえないような独特な音を感じたことを。
この病院は100年の操業を誇る、ここらでは大きな病院だ。
増築や補強をしてもドアの張り替えまではしていないようだ。
 
ドアが開くと、一人の人がいた。
あーお母さんか!安心する。

<えーーー---!ね、美奈子!?あなた本当に美奈子よね!?>

<うん、そうだけど。どうしたの?そんなに驚いて。>

<あー。本当に良かった。美奈子、あなた事故にあって、ずっと眠っていたのよ>

<えーー。>私もびっくりした。だって、ずっと眠っていたなんて思ってもいなかったから。


お母さんは言った。
あなたは事故にあったの。たしか金曜日だったわ。
塾から帰宅する途中に。。
そして、お母さんはしゃべらなくなった。
今にも泣きそうな表情を見ればわかる。
だから私は母を抱きしめて、少し泣いた。

私は高校生で今高2だという。
高1の秋に事故にあったらしく、そこからずっと昏睡状態。
目を覚ます確率は30パーセント満たないといわれていたらしい。

そして私はきずく。
そこからが本当の苦しみの始まりであることを。



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