残り10cmの恋
しばらく3人で話していると30m先に、廊下を猛ダッシュしている竜が見えた。
「あ、竜ー!」
私が、叫ぶと竜は、手を振ってくれた。
「つ、疲れた…」
私達のとこまで来たら、竜は、ヘニャヘニャと座り込んでしまった。
寝起きで、しかも朝から、猛ダッシュなんだから、そりゃあ疲れるよね。
「竜、おはよう~」
「 竜、お疲れ(笑)」
「おう…」
明らかに、疲れた様子の竜。
竜の、ゴールを待っていたかのようにチャイムが鳴った。
「はい、竜、立て!」
健が、竜を無理矢理、立たせて席に皆着いた。
ちなみに、私達は同じグループなので
席が固まっている。
私の隣は、転校生が座るようになっている。
転校生が、来るというので教室はザワザワ。
「かっこいいらしいぞー、遥」
健がニヤニヤしながら言ってきた。
「な、何よっ」
「好きな人が欲しいんだろー?」
「あ、それ聞いてたの?!」
昨日の会話を聞かれていたらしい。
「おう(笑)まあ、まずは仲良くなれるか、からだけどな!」
「それと、これとは別だから!」
「ふ~ん(笑)」
これ以上、健と話してても終が見えないので黙って待つことにした。
それから、すぐに教室のドアが開いた。