残り10cmの恋
ガラッ───
ザワザワしていた教室が、びっくりするぐらいに静かになった。
先生が、入ってきて、そのあとに続いて入ってきた転校生。
「っ…!!」
予想をこえるほどのかっこよさだった。
パッと見て身長は180あるかないかぐらい。
鼻がスッとしていて誰が見ても整った顔だと言うくらい。
目も、二重で大きいし…。
綺麗な茶色がかかった髪の毛は、器用に遊ばせてある。
健とは、全然違うな。
まあ、私以外の人から見ると、健だって、かっこいいんだろうけどね。
私には、ハリネズミにしかみえないけど!
教室は、またザワザワしだした。
皆、口々に「かっこいい!!」「やばい!」と言っている。
先生は、「静かにしろー」と言っているが、騒ぎたくなるのも無理もない。
だって、かっこ良すぎるから。
これは、誰が見ても惚れるんじゃないかな。
「とりあえず、静かにしようぜ」
クラスのまとめ役でもある、健がそう言うと皆が黙った。
先生は、健にありがとうとお礼を言ってから話始めた。
「えー、知っている人が多いみたいだが、今日からこの学校の生徒となる
高木 輝(ひかる)君だ」
皆は、高木 輝くんに釘付けだ。
「高木 輝です。よろしく!」
そう言うと、はにかんだ笑顔を見せた。
う…笑顔もやばい……。
きっと、大半の女子は心を打たれたに違いない。
「皆、仲良くな。じゃあ、高木、あの空いている席へ」
「はい」
隣の席にあんなかっこいい人が座るのか…。
心臓持つかな…。
周りの女子から「遥いいな~」と言う声が聞こえてくる。
もう、女子皆の目はハート、ハート、ハート!
チラッと、ひとみの方を見ると……………
あれ?普通…。
あ、そっか。
美少女は、かっこいい人が来ても動揺しないのか…。
変な解釈をして、納得した。