残り10cmの恋



「帰りに、研修会の買い物行かない?」



もう、授業が終わるというときに
ひとみがそう言った。





「行く行く!」




「良かった。健と竜と輝は?」





健の方を向くとOKと言ってくれた。





隣の、輝もOKと言ってくれた。





「ねぇ、起きて」




前の席の竜は、寝不足なのか今日ずっと眠たそうにしていて、最後の授業でとうとう
寝てしまった。




「んー…」




なかなか、起きない竜を揺さぶる。



しばらく揺さぶっていると竜は片方の目を開けた。




「放課後、買い物。行くよね?」




竜は、ゆっくり頷いてまた寝てしまった。




「竜も行くって」



ひとみに言うと、ひとみも
「あの人、どんだけ眠たいのよ」
とつっこんでいた。



普段は、余り授業中に寝ないタイプなのにな…。




だからか、先生も、注意しない。




少しだけ、心配になったけど
竜の気持ちよさそうな寝顔を見るとそんな心配は無くなった。




そういえば、5人で寄り道をしたことは、まだない。


楽しみだな~!


あと、10分、早く終われーと
思いながら授業を受けた。




< 29 / 66 >

この作品をシェア

pagetop