残り10cmの恋
───────キーンコーンカーンコーン
授業が終わって、皆ぞろぞろ帰る準備を始める。
いつものように、何人か輝と一緒に帰りたい女の子が来るけど断った。
「竜、起きて」
ひとみがパコンと下敷きで竜の頭を叩くと
「んー…」
と言いながら起きた。
「竜、放課後だぞ!」
優しい輝は、竜の鞄に荷物をしまってあげている。
竜は、寝起きのためぼーっとしている。
そんな竜はいつもみたいなクールな感じは無く、可愛いなと思った。
「荷物持つから、はい、立って!」
輝は、竜の荷物も持って竜の片腕を担ぐと、健に「健も、反対担いでー」と言った。
健も、竜の腕を担いで
2人で引っ張りながら教室を出た。
そんな姿を見て、私とひとみは大爆笑。
いいな~なんて思いながら
3人の後ろ姿を見ていた。