オウリアンダ
やはり最初は何もないものなのかな?と思い、非常に残念な気持ちになった。
音楽プレイヤーを操作し、アキラが曲を変える。『あ!この曲は知ってる』と思った瞬間、それは突然来た。
自分の視界が一瞬歪んだ感じがしたのだ。その後も、音楽に合わせて視界が縮んだり膨らんだりする。
携帯を見てみると、その画面はいつもより色鮮やかに見えた。
自分の見ている光景が、まるで映画のスクリーンの様に感じる。もしくは他人の意識の中に入り込み、その人の見ている光景を自分が見ているような感覚。
試しに目を瞑って見ると、自分の体と空間の境目がよくわからなくなっていた。
まるで空間に自分の体がドロドロ溶け出したような感覚。
普段聴かないレゲェが凄く楽しく感じる。
スピーカーから聞こえる音は、自分の脳の中でエコーがかかっているように聴こえた。
アキラの方を見るとカップラーメンを貪り食っている。
さっき焼肉を食べたばっかりなのに…と思っていると、自分もお腹が空いていることに気付いた。
たまらずポテトチップスに手を伸ばす。
異様に美味い。これがマンチ(薬物によって引き起こされる空腹感。最近は薬物の作用で、食べ物が美味しく感じる感覚の場合にも使用する)なのか!!
口の中の食べ物の感触がよく分かる。
今まで気にも止めなかった事が気になる。アキラの家の壁の模様が何故か面白く感じ、俺は壁の模様をジッと見ていた。
かなり長い時間壁を見ていたような気がする。
またポテトチップスに手を伸ばすと、手が袋に当ってガサガサと音が鳴った。
「ガハハハハ!やめてくれ!腹がよじれる!」
アキラが腹を抱えて笑っている。
俺もその音の面白さに気付き、今度はワザと袋をクシャクシャにした。
自分でも可笑しくなって笑い転げる。俺達はしばらくの間、袋をガサガサと鳴らし続けた。
その後、アキラとの会話は弾んだ。
大麻にはサティバ系とインディカ系がある。違いはその作用にある。共通の作用も勿論あるが、ざっくり言うとサティバ系はアッパー(興奮する、多弁になる)インディカ系はダウナー(リラックスする)といった所である。
勿論、サティバ系にも覚醒作用はないので、凄く楽しくなる程度とでも思っておいて欲しい。
今回俺達がキメたのは、作用から推測するにサティバ系だろう。
約二時間が経ち、効き目が切れて来たのか、俺はだんだん落ち着きを取り戻してきた。
トイレに行きたくなり、俺はアキラにトイレの場所を確認して席を立った。
その途中、風呂場の鏡で顔を見ると、俺の目は真っ赤に充血していた。
アキラに言われてたのとは違い、俺には初めから大麻の良さがわかった気がした。
トイレから戻りアキラに礼をいう。
「ありがとう。貴重な体験をさせてもらったよ。」
音楽プレイヤーを操作し、アキラが曲を変える。『あ!この曲は知ってる』と思った瞬間、それは突然来た。
自分の視界が一瞬歪んだ感じがしたのだ。その後も、音楽に合わせて視界が縮んだり膨らんだりする。
携帯を見てみると、その画面はいつもより色鮮やかに見えた。
自分の見ている光景が、まるで映画のスクリーンの様に感じる。もしくは他人の意識の中に入り込み、その人の見ている光景を自分が見ているような感覚。
試しに目を瞑って見ると、自分の体と空間の境目がよくわからなくなっていた。
まるで空間に自分の体がドロドロ溶け出したような感覚。
普段聴かないレゲェが凄く楽しく感じる。
スピーカーから聞こえる音は、自分の脳の中でエコーがかかっているように聴こえた。
アキラの方を見るとカップラーメンを貪り食っている。
さっき焼肉を食べたばっかりなのに…と思っていると、自分もお腹が空いていることに気付いた。
たまらずポテトチップスに手を伸ばす。
異様に美味い。これがマンチ(薬物によって引き起こされる空腹感。最近は薬物の作用で、食べ物が美味しく感じる感覚の場合にも使用する)なのか!!
口の中の食べ物の感触がよく分かる。
今まで気にも止めなかった事が気になる。アキラの家の壁の模様が何故か面白く感じ、俺は壁の模様をジッと見ていた。
かなり長い時間壁を見ていたような気がする。
またポテトチップスに手を伸ばすと、手が袋に当ってガサガサと音が鳴った。
「ガハハハハ!やめてくれ!腹がよじれる!」
アキラが腹を抱えて笑っている。
俺もその音の面白さに気付き、今度はワザと袋をクシャクシャにした。
自分でも可笑しくなって笑い転げる。俺達はしばらくの間、袋をガサガサと鳴らし続けた。
その後、アキラとの会話は弾んだ。
大麻にはサティバ系とインディカ系がある。違いはその作用にある。共通の作用も勿論あるが、ざっくり言うとサティバ系はアッパー(興奮する、多弁になる)インディカ系はダウナー(リラックスする)といった所である。
勿論、サティバ系にも覚醒作用はないので、凄く楽しくなる程度とでも思っておいて欲しい。
今回俺達がキメたのは、作用から推測するにサティバ系だろう。
約二時間が経ち、効き目が切れて来たのか、俺はだんだん落ち着きを取り戻してきた。
トイレに行きたくなり、俺はアキラにトイレの場所を確認して席を立った。
その途中、風呂場の鏡で顔を見ると、俺の目は真っ赤に充血していた。
アキラに言われてたのとは違い、俺には初めから大麻の良さがわかった気がした。
トイレから戻りアキラに礼をいう。
「ありがとう。貴重な体験をさせてもらったよ。」