不良君とのLOVE+GAME
「あの不良クン知ってるでしょ?」


暫し沈黙が流れる。


「“あの”と言いますと??」


誰のことだかさっぱりわからない。


「えぇ!?あの不良クンを知らないの!?」


美月はかなり驚いた顔をした。


「…うん」


「うっわー…ありえなーい…」


美月はマジかよこいつ…といった表情をした。


「アンタね、疎すぎなの!
うちの学校一番の不良…獅童 禅を知らないとかありえない!!」


獅童…禅??


「そ、超噂になってるんだから!
でね、その不良クンが…「あ!!」


美月が言いかけたのを遮った。


なぜなら、ふと時計を見るともう委員が始まる時間になっていたから。


私は鞄を手に持ち、教室を慌てて出た。


「ちょっ!瑠美!?
あーあ…あの不良クンが、放課後にカツアゲしてるって噂を聞いたから、ソレを言いたかったのに…
しーらない☆」


美月が言った言葉など、私に聞こえるハズがなかった。
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