桜花


「それより鏡花。仕事の件はどうなったんじゃ?」


「採用してもらえたよ。来月からだって」


鏡花は高校を卒業した後、大学に進学せずに公務員になることにした。


そして無事、役場での採用となったのだった。


「それはなによりじゃな。
そうじゃ、祝いに酒でも一杯いくか」


「まだ私は未成年だよ」

「何を言うか。昔は十三で大人の部類に入ったのじゃから未成年もあったものか」


「今は違うの!!」


飲ませようとぐいぐい勧めてこられ、困っていると助け船が来た。


「そんなにしつこいと嫌われますよ、鬼囮爺様」

繁みから白い蛇の姿をした霞がやって来た。


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