桜花
「どうだろう……」
「きっと来ます! 来るに決まっています!
だから元気を出してください」
「うん、分かった。
ありがとう、霞」
桜花は霞に微笑んだ。
それに霞はパッと頬を赤くした。
「礼など、とても…そんな……。
で、では私はこれで失礼します!」
「あ……」
霞は言うが早いか元の白蛇の姿に戻り、サーッと森に逃げて行った。
桜花はそれを見送ると、黒雲に覆われた空を見上げた。
「雨が来るかな……」