本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
「2人は知り合い…って感じじゃないわね。元カノと元彼ってわけね。とりあえず埒が明かないから今日はこれで帰らせてもらう。会計は…」
「俺が払っておいたからいいよ」
美和はご馳走さまと大人の対応をしたが、私にはそんな余裕はなかった。
美和に肩を抱かれながら下駄箱へと向かう。
小牧君は背を向けている私に
「連絡待ってるから…ずっと……」と言った。
だけど私はただ首を横に振ることしか出来なかった。


店を出ると美和は仁王立ちで私を見下ろしていた。
「私には話を聞く権利があるわよね」
有無を言わせない言い方に私は頷くことしかできなかった。

美和は少し呆れた顔をするとスマホを取り出した。
「もしもし航ちゃん?私だけど今から帰るね。で、杏奈を今日泊めるから……うん……よろしく…じゃあ」
あ~~私は今から美和の家に強制お泊りで思い出したくないあの過去を話さなきゃいけない。
私の黒歴史を…
 
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