本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
「ふぁ~~~!!疲れた~!!」
気がつけば外はすっかり暗くなっていた。
時計を見ると30分どころではなく1時間半・・・いや2時間近く作業をしていた。

それでもお願いされた数を全部やり終えたのである意味達成感もあった。
私は出来上がった冊子を後ろの棚の上に置くと帰り支度をした。
カバンを持って教室を出ようとしたら同じタイミングで先生が教室に入ってきた
「香坂!」
驚いた様子の先生。
「全部やっときましたので・・・帰ります。さようなら」
「ありがと・・・ていうか・・ちょっと待て」
教室を出ようすると、止められた。
「まさか・・今までやってくれてるとは思わなくって…本当にありがとう」
「いいですよ。私もやりだしたら止まらなくなったんで」
嘘じゃない本当に夢中だった。
「それでもこんな時間までやらせてしまって申し訳ない。・・ところで香坂ってバスだったか?」
「はい」
「わかった。じゃあ~正門前で待っててくれ」
「はい?」
待つって・・・なんで?
「送ってく」
「ええ?!いいですよ。私一人で帰れますから・・・・」
いくら遅くても先生の車で送ってもらうとか・・・まずいでしょ。
だが先生の意思は固かった。
結局送ってく、いいですの押し問答の末負けたのは私だった。
私は靴を履き替え先生の言われた通り正門で先生の車が来るのを待った。
しばらくすると白のスポーツタイプの車が私の横で止まった。
助手席の窓が開き、乗ってと言われ助手席のドアを開けようとした。
その時だった。
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